中医学に基づいた治療

中医学の特徴として整体観念と弁証論治というものがあります。
整体観念とは、人と自然は統一体であるという考え方と人体の組織・器官は一つ一つ単体で働いているのではなく、互いに影響し合ったり作用し合って生命活動を維持している、とする考え方です。中医学の臨床においては、一つの臓腑や辛い部分だけを見るのではなく、からだ全体をみることが重要になります。
弁証論治とは、診断(弁証)と治療(論治)のことになります。
弁証とは、望・聞・問・切という4つの診察法(四診)を用いて集めた情報をもとに、おからだの状態を判断します。西洋医学との違いは数値に頼るのではなく、術者の感覚や一つの部分だけでなく全体を診ることにあります。
論治とは、弁証によって状態を判断した後に、それに適した治療原則と治療方法を決定することです。論治にはさらに配穴(経穴「ツボ」の選定)や刺法・灸法などを含んでいます。
このように当院では四診(問診や脈診、舌診、腹診など)での情報を総合して、病気の原因(病因)を把握し、その結果として体内でどのようなことが起こり症状に至ったのか(病機)を理解することを重視しています。そして、配穴理論とともに、各穴の効能である穴性に基づき治療穴を導き出し、適切な鍼の手技をおこない治療していきます。